機能不全家庭

伍;真実の仔

あぁ、峠を越した。 安堵し強く握りしめていた手を開く。掴みかかり揺さぶった時に抜けたであろう、我が子の髪の毛。昔はやられっぱなしだったのに、中学に入ってから抵抗するようになった。子供と言っても男性だ、振り払う腕の力に怯みそうになる。 だが、その抵抗がまたしても腹が立ち、ますます感情が昂ぶってしまう。 […]